NS250F/RはMVX250Fの教訓から,オイルポンプの吐出量が多めに設定されている.そのため,大量の白煙を吐きながら走る姿が見られることも少なくない.当方のNS250Rも例にならって大量の白煙を製造する.
多少の知識がある人ならば,「オイルポンプの吐出量を変更すれば良い」と言うだろう.しかしNS250のオイルポンプはチャンバーを下さないと調節することができない.そのため,走ってはすぐに調節するというような作業が困難である.またオイルポンプの吐出量を絞りすぎた場合,エンジンが焼き付いてしまうことがあるため,素人整備では厳しいものがある.
当方は素人整備しかできないため,NSの白煙問題を2stオイルを変更することによって改善できないか模索した.それに加え,NSに適したオイルを検討した.なお条件は次の通りである.
- 走行条件…街乗り,通学(片道1h),パワーバンドは比較的入れる
- プラグ…NGK B7ES
- キャブレータ…純正通り
- 吐出量…純正通り
当方が利用したオイルは次の4つである.
- HONDA GR2
- Castrol Power1 Racing 2T
- Moty's M171
- SUZUKI CCIS
GR2はホンダの純正なだけあって,サイレンサーからのオイルの滴りも他のオイルに比べて少なかった.白煙はアイドリング時でも少し見えるくらいである.しかし,GR2の宿命なのか高回転の伸びがもたつく感じがあり,フィーリングはあまり良くはなかった.
Power1 Racing 2Tは当方がカストロール信者なのもあり多大なる期待を寄せていた.実際に使ってみると,プラシーボ効果もありフィーリングや匂いやら最高に感じた.また白煙の量は一番少なかった.しかし,オイルの粘度が低いのかサイレンサーからのオイル垂れは多かったりオイルの減りが早く感じた.
M171はラ〇コランドのNSR乗りの店員さんからのオススメで購入した.どうもレースで使用後のエンジン内のカーボンの蓄積が他のオイルより少ないらしいが,当方はエンジンを開いていないので定かではない.使用感はエンジンのフィーリングが良く,値段に恥じないほど良かった.白煙もパワーバンド以外では見えないぐらいに少なかった.匂いは工作機械の切削油のような匂いで,他のオイルとは全く違ったが,嫌な臭いではなかった.しかし,カストロールと同じく粘度が低いのか,サイレンサーからのオイル垂れが一番ひどかった.また,オイルの減りも早かった.
CCISはCRM乗りの後輩に薦められて購入したものであり,現在使用中である.暖機運転直後の白煙はすさまじく,使用したオイルの中で一番多かった.フィーリングは高回転域でももたつくことなくスムーズに回り,コストパフォーマンスが良く感じる.ただサイレンサーからのオイル垂れは,GR2よりも垂れる機会が多い.
結果として今回のオイルで白煙を一番出さないのはPower1 Racing 2Tであった.しかし,適しているオイルはGR2であろう.フィーリングが嫌で煙を気にしないならCCISといったところだろう.他の2つのオイルは自分である程度いじれる方ならば,すごくオススメできる.
しかし,純正で推奨されているウルトラ2スーパーや無難とされているヤマハの青缶はまだ検証していない.そのため,今後さらに適したオイルが見つかる可能性がある.